秋の金沢旅行2025.12.13
久しぶりに金沢へ行ってきました。金沢は、加賀藩の藩祖である前田利家ゆかりの地でもあります。
かつては加賀藩の武士全員が城下に居住していたので、観光名所の「長町武家屋敷跡」の土塀は長く連なっています。堅牢なつくりになっている土壁の構造は、建築に携わる者として特に興味深く、当時の技術力の高さが感じられました。
土塀は、土に「菜種油」や「にがり」を混ぜて固めており、これによって雨や雪への耐性が高まり、独特の黄色い色合いが生まれています。
土塀の上には小さな屋根が乗っていますが、これは飾りではなく、雨や雪から土塀が溶けるのを防ぐ雨除けです。
毎年ニュースでも取り上げられますのでご存じの方も多いと思いますが、12月には、これらの土塀を雪から守るために藁で作った「こも」を掛ける「薦掛け(こもがけ)」という、伝統的な作業が行われます。これは雪よけではなく、壁の水分が凍ってひび割れるのを防ぐためです。
また金沢城公園では紅葉が見ごろを迎えていました。金沢城の石垣の積み上げ方には、いくつもの種類があり、その種類の多さや美しさから「石垣の博物館」と言われているそうです。
兼六園の木々には雪吊りが施され、夜間のライトアップでは幻想的な光景が広がり、昼間とはまったく違う表情を見せてくれました。
北陸新幹線のおかげで東京から約2時間半で行けるようになり、アクセスも便利になった金沢は、季節によって全く違う姿を見せてくれる街です。次に行く機会があれば、「薦掛け(こもがけ)」の冬や、桜の季節に訪れてみたいと思っています。
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